スポーツ

競走馬の世代交代が加速 3歳以上レースで4歳馬が大苦戦

今年の秋は「1勝クラス」が最大7レース組まれていた

 平成13(2001)年、馬齢表記がそれまでの「数え」から満年齢に変更されるとともに「秋の福島」から4歳(現3歳)未勝利戦がなくなった。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、競走馬の世代交代がどんどん早くなっている平成の変化についてお届けする。

 * * *
 それまでの「秋の福島」では4歳未勝利戦が、1日に最大9レースも組まれていた。一つも勝てなかった馬が、最後の生き残りをかけて紅葉の美しい福島に集結したものだ。この開催で毎年多くの馬が中央での競走生活にとどまる権利を得たが、その後活躍する馬は稀だった。

 なかにはフラワーパークのように、デビュー自体が遅く、2戦目でここ(彼女の年は「秋の新潟」だった)を使って勝ち上がり、翌年にGIを勝ったりする馬もいたが、多くは条件馬止まり。勝ち上がった後トントン拍子に出世していく馬は多くはなかった。しかし馬主や調教師、有力馬に恵まれないクラブ会員、そして何より競走馬としては最後の希望だった。

 その後、3歳未勝利戦の終了は徐々に繰り上げられる。9月の中山・阪神開催の3歳未勝利戦がキャリア5戦以内、前走5着以内といった限定で行なわれていた。しかし、それも今年からなくなり、3歳未勝利戦は夏競馬までとなってしまった。

 一般に中央競馬で1勝できるのは登録された馬の半数弱といわれている。勝てなければ、苦戦覚悟で格上の条件戦に出るか、地方競馬に転出するか、あるいは競走生活に終止符を打つしかない。良血の牝馬ならば、牧場に戻って母親になるという仕事があるが、牡馬にとっては、死活問題、力なきものは去るしかない。

 苦労の末1勝しても4歳の6月になると、勝ち上がってきた3歳馬と同じレースに出なければならなくなる。2勝以上の4歳馬も、昨年までは降級制度があり、下のクラスで走ることができて勝ち星を量産していたが、今年から廃止。斤量面で有利な3歳馬と、昨年までに降級の恵みを受けている5歳以上の格上馬と勝負しなければならなくなった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン