国内

抗争情報から噂話まで、ヤクザ業界のLINE事情に迫る

暴力団関係者の情報共有はLINE!?

暴力団関係者の情報共有はLINE!?

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ヤクザ業界の意外なLINE(ライン)活用事情を明かす。

 * * *
「ラインができて、良くも悪くも情報のやり取りが早くなった」

 暴力団にとっても、今やラインは重要なコミュニケーションツールの1つなのだ。

「組ごとに情報網になるようなモノは持っているとは思うが、ライングループなどはない。事件になると、すぐに開示されるからね」

 元組長がそう話す最中にも、スマホがブルブルと振動する音が聞こえてくる。セカンドバッグからスマホを無造作に取り出し、ラインをチェックすると、元組長はため息をついた。

「最近は、組や組のやり方に対する不平不満を長々とラインで流してくるやつがけっこういてね。高山氏が出所してきてからは多くなっているな」

 恐喝罪で服役していた、六代目山口組の若頭である高山清司氏が出所してから1カ月。次々と改革を実行しているが、若頭の権限を利用した独裁的なやり方に、一部からは不満の声も上がっているらしい。

 送られてきたラインのメッセージを読みながら画面をゆっくりスクロールしていくが、元組長の指はなかなか止まらない。長い文章の最後にあったのは「転送」の文字だ。

 ラインで送られてきた情報は暴力団関係者の間で転送され続け、あっという間に拡散していく。拡散先は組関係者やその筋の者だけに留まらず、メディアや警察にまで及んでいる。

「つい先日も、神戸本家の寄り合いに大阪府警の人間が来ていたらしいという情報があったばかりだ。不満を持っている誰かが情報を漏らしたんだろうが、自分らの組にとって機密扱いともいえる情報を漏らすなんてどうかしている」

「神戸や名古屋での重要な寄り合いでは、動画撮影を禁止することもあると聞く。地方の組なら決定事項を組に伝えるために、昔は宿泊先に帰ったらまとめ、それをFAXで事務所に流したもんだ。メールも長い文章はガラケーでは無理、パソコン持ち込みなんてない。だからタイムラグがあったんだが、今やリアルタイムだ。一斉にラインで動画が送信されでもしたら危険だ」

 今回ばかりは徹底的に犯人探しが行われるのではないかと、元組長は口元を歪めた。

 警察の動きを警戒し、神戸や名古屋に関する情報漏えいには目を光らせている。高山氏の出所後、放免祝いが行われたが、当初、その会場にはある店の名前が挙がっていた。だが、すぐに中止情報がラインで流れた。その後も場所は二転三転し、最終的に高山氏が以前所属していた佐々木一家で祝宴が開かれた。

 神戸本家で毎年開かれていたハロウィーンも、組事務所が使用制限で使えないため結局中止となったが、近くの護国神社でやるのではという噂が流れ、傘下の組員は裏を取るのが大変だったらしい。

 では、どんな情報がラインで共有されているのか。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン