近畿日本鉄道21000系特急・アーバンライナーplus(左、時事通信フォト)

近畿日本鉄道21000系特急・アーバンライナーplus(左、時事通信フォト)

 また、近鉄には2025大阪万博の会場地になる夢洲へ乗り入れる計画もある。近鉄特急が夢洲への乗り入れを実現するには、異なる集電方式という技術的な課題をクリアしなければならない。

 通常の電車は、上空に設置される架線から電気が供給されている。しかし、近鉄のけいはんな線とOsaka Metro中央線はサードレール方式と呼ばれる、通常とは異なる集電方式を採用している。夢洲にはJRや京阪も路線の延伸を計画しており、仮にJRや京阪の線路に近鉄が乗り入れる場合は集電方式という技術的な課題に直面する。夢洲へと走る新しい特急車両が誕生するかどうかは、こうした技術的な問題をクリアできるかに賭かっている。

 近鉄が「ひのとり」を軽々に“エース特急”と口にしないのは、そうした難題をクリアし、新たな特急車両を視野に入れているからにほかならない。技術的な課題をクリアするには時間がかかるかもしれない。それでも、「新しい特急が走る日は近いのではないか?」との期待が高まる。

 近鉄の、特急への飽くなき挑戦は続く。

『私鉄特急の謎 思わず乗ってみたくなる「名・珍列車」大全 』

大阪と奈良・吉野を結ぶ近鉄の観光特急「青の交響曲」(時事通信フォト)

大阪と奈良・吉野を結ぶ近鉄の観光特急「青の交響曲」(時事通信フォト)

関連キーワード

関連記事

トピックス

長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン