「しまかぜ」カフェ車両で松阪牛カレーをどうぞ(時事通信フォト)

「しまかぜ」カフェ車両で松阪牛カレーをどうぞ(時事通信フォト)

 2013年から運行を開始した「しまかぜ」は、豪華な特別仕様。そのため、運行開始以前から鉄道ファンを虜にした。して、運行が開始されると、たちまち近鉄の看板特急になる。

「近鉄は、お客様の求めるサービスレベルの向上に対応して、将来にわたって快適にご利用いただけるよう常に車内設備の充実化を図っています。50000系『しまかせ』は“最高のおもてなしで、伊勢志摩へ”をコンセプトにしています。『しまかぜ』は単なる移動手段ではありません。乗ること自体が旅の目的のひとつとなるような、伊勢志摩への観光輸送活性化の切り札として開発された車両です」と話すのは近鉄広報部の担当者だ。

「しまかぜ」は団体旅行の際に重宝する個室が備えられているほか、非経済を理由に最近では縮小傾向にあるカフェ車両も設けている。「しまかぜ」は、列車とは思えないほど豪華な設備とサービスが充実している。

「しまかぜ」は鉄道ファンの度肝を抜いただけではなく、伊勢志摩観光のあり方を根底から覆した。しかし、近鉄が力を入れている特急は「しまかぜ」だけではない。

「しまかぜ」の登場以前に伊勢志摩観光のエース特急として活躍していた「伊勢志摩ライナー」、列車内に足湯が完備された観光列車「つどい」、バーカウンターを設置した観光列車「青の交響曲(シンフォニー)」、桜で有名な吉野へと走る特急「さくらライナー」など、近鉄特急のラインナップは群を抜いている。また、観光特急だけではなくビジネス特急「アーバンライナーplus」なども運行。特急の層の厚さは、他社を圧倒している。

 特急のバリエーションが多ければ、乗るのも見るのも楽しい。しかし、鉄道事業者にとって車両のバリエーションが増えれば、運用面で非効率になる。車両のメンテナンスや管理も煩雑化・非効率になるだろう。車両のバリエーションを増やすことは、鉄道会社にとって諸刃の剣でもある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元皇族の眞子さんが極秘出産していたことが報じられた
《極秘出産の眞子さんと“義母”》小室圭さんの母親・佳代さんには“直接おめでたの連絡” 干渉しない嫁姑関係に関係者は「一番楽なタイプの姑と言えるかも」
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン
川崎春花
女子ゴルフ“トリプルボギー不倫”で協会が男性キャディにだけ「厳罰」 別の男女トラブル発覚時に“前例”となることが避けられる内容の処分に
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日の親子スリーショット》小室眞子さん出産で圭さんが見せた“パパモード”と、“大容量マザーズバッグ”「夫婦で代わりばんこにベビーカーを押していた」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
《司忍組長の「山口組200年構想」》竹内新若頭による「急速な組織の若返り」と神戸山口組では「自宅差し押さえ」の“踏み絵”【終結宣言の余波】
NEWSポストセブン
第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン