壮大なスケールで白米を追った番組で最も注目されたのが、冒頭のファン博士による研究結果だ。
シモンズ大学が13万人の食生活と健康状態を20年以上追跡調査し、普段の食生活で糖質の摂取量が標準的な人(総カロリーの60%が糖質)と、とくに少ない人(総カロリーの35%が糖質)を比べると、後者の死亡率が1.3倍以上に高まった。
この結果は糖質制限実践者に衝撃を与えた。そもそも白米やパンなどに多く含まれる糖質は体内でエネルギーに使われ、残った分が脂肪に代わり、内臓や皮下に蓄積されて肥満につながる。
糖質を摂り過ぎると「高血糖」と呼ばれる状態になり、肥満だけでなく糖尿病のリスクも上昇する。そこでその「元凶」たる糖質の摂取を制限する効果に注目が集まり、近年はこの糖質制限を体重管理に転用した「糖質オフダイエット」が大流行している。
ファン博士の研究結果は、昨今の糖質制限ブームの真逆をいく内容であり、Nスペの放送終了後には、SNSに〈糖質制限をすぐにやめようと思った〉など驚きの声があふれた。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号