スポーツ

朝日杯FSは距離適性より将来性が問われるレース 軸馬と穴馬

GIながら巻き返す馬も少なくない(阪神競馬場のパドック)

 大本命馬が馬群に沈んだ先週の例を挙げるまでもなく、キャリアの浅さゆえに判断が難しいのが2歳戦。朝日杯フューチュリティステークス(FS)も波乱となりうるのか。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 2歳の暮れにこのレースを使って、翌年のクラシックを制覇した馬は平成以降の30年で7頭。一方GⅢだったラジオNIKKEI杯2歳S(現ホープフルS)を経たクラシック馬は18頭もいる。クラシックと直結しているかどうかという点では分が悪いこのレースを読むポイントは何か。

 先週の阪神ジュベナイルフィリーズでは、〈2 0 0 0 〉のレシステンシアが勝ち、2着に〈2 1 0 0〉のマルターズディオサ、3着に〈1 1 0 0〉のクラヴァシュドールが入り、上位は連対率100%の7頭のうちの3頭(4着も2戦2勝馬)で収まったが、朝日杯フューチュリティステークス(以下FS)は、やや様相が異なる。

 平成以降、無敗の覇者が11頭いる反面、馬券圏外に沈んだ経験がありながら、ここで巻き返したという馬が9頭もいる。1200mの函館3歳Sで6着だった三冠馬ナリタブライアンなど6頭は重賞での敗戦だったが、なかにはデビュー戦で勝ち馬から1.8秒離されたメジロベイリーのような馬もいる。まだ適性が定まっていないとはいえ、早い時期に“挫折”を味わった2歳チャンピオンがいるのも事実。

 むしろ2着馬の方がここまでは堅実で、4着以下に敗れた経験があるのは3頭しかいない。FS1着馬のうち、デビュー勝ちは17頭だが、これも2着馬の方が優秀で、デビュー勝ちが22頭、2戦目には7頭が勝ち上がっている。

 しかしFSの2着馬でクラシックを勝ったのはビワハヤヒデ1頭。その後GⅠを勝ったのは4頭いるが、すべてマイル以下での戴冠。それに対し1着馬はクラシック制覇こそ4頭だが、グランプリで強さを見せたグラスワンダーやドリームジャーニー、3歳(当時4歳)で天皇賞(秋)を勝ったバブルガムフェロー、ダートGⅠを6勝したアドマイヤドンなど、幅広い分野で飛躍を遂げている。エイシンプレストンやアドマイヤマーズは香港でもその名を轟かせたかと思えば、ここでの勝利から3年間半後に安田記念を勝ったアドマイヤコジーンのような馬もいる。遠い将来まで見据え、大いなる志を託された素質馬に注目したい。

 人気は東京で1分32秒9という時計を出したサリオスに集中しているようだが、いかにもマイルのスペシャリストという印象。ここはあっさり勝つかもしれないが、ハーツクライ産駒が、過去このレースにあまり縁がないのが気になる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン