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鉄道高架下の商業施設の開発加速 事業収入を支える柱に

2011年にオープンした2k540は、東京駅から2540メートルという意味

2011年にオープンした2k540は、東京駅から2540メートルという意味

「JR東日本都市開発が本格的に秋葉原駅-御徒町駅間の高架下開発に着手したのは約10年前に遡ります。そして、2010年に”ものづくり”をテーマにした『2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン)』をオープンさせました」と話すのはJR東日本都市開発事業本部開発調査部の担当者だ。

「2k540 AKI-OKA ARTISAN」(2k540)という奇妙な施設名は、東京駅を起点に2540メートルの地点にあることを表している。同施設の特徴は、高架下の空いているスペースを商業施設化したというだけではない。

「2k540の所在地は台東区です。台東区は職人が多い街としても知られます。そうした特色を活かすため、2k540では”ものづくり”をコンセプトにした店舗構成にしました。そのため、2k540の店舗のほとんどが、店内に作業ができる工房を備えています」(同)

 今般、人口減少によって鉄道事業者は乗客から得る運輸収入が頭打ちになっている。そうした運輸収入の減少を補うべく、鉄道事業者は駅という資産を活かして不動産の事業収入で稼ぐ傾向が強まっている。

 これまで、鉄道事業者の不動産事業といえばターミナル駅に併設した駅ビル事業が主力だった。高架下は遊休空間とされ、あまり有効活用されていなかった。高架下の活用方法は駐車場や駐輪場、倉庫などしかなく、鉄道事業者に収益的なメリットは少なかった。そのため、鉄道事業者は高架下に空きが生まれる立体交差化に消極的だった。

 近年、保育所不足による待機児童問題が表面化すると、高架下の遊休地を保育所として活用する動きが強まる。

 そこから、鉄道事業者は高架下の可能性を模索するようになる。例えば、東急電鉄は2016年に中目黒駅の高架下を商業空間として活用。これが好評を博したことから、翌年には店舗を拡大した。

 扱い方ひとつで高架下が大化けする可能性が出てくると、鉄道事業者はこぞって高架下の有効活用に着手するようになった。

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