ライフ

サンタの発祥を知っていますか 故郷は「トルコ南西部」

お馴染みのコスチュームにも起源が…(Lehtikuva/時事通信フォト)

 クリスマス・シーズン真っ盛りである。街中のいたるところにツリーが飾られ、どこからともなくクリスマス・ソングが聞こえてくる。プレゼントを待つ子供ならずとも、なんとなく心が浮き立つ特別な一日。歴史作家の島崎晋氏が、「クリスマスの主役」の意外な発祥を解説する。

 * * *
 毎年クリスマスが近づくたびに、「本場のサンタクロース」が話題になる。サンタクロースにお願いやお礼の手紙を出したいけど住所がわからないという場合、郵便局の窓口に持っていけば、ちゃんと教えてくれる。グリーランドやカナダなど、どこのサンタクロースを選べばわからないときは、北欧ラップランド、フィンランド北部ラッピ州の州都ロヴァニエミにあるサンタクロース村の住所を教えてくれる。

 トナカイの引く橇(そり)に乗りやってきて、煙突から屋内に入るとなれば、やはりサンタクロースの本場は北欧かカナダと考えるのが、日本人なら自然だろう。

 しかし、実のところサンタクロースの故郷はそこまで北極に近いところではない。モデルとなったニコラウスという聖職者は4世紀にギリシア南部にあった港町パタラで生まれ、長く司教を務め、永眠の地ともなったのは現在のトルコ南西部の町デムレ(旧称はミュラ)。パタラとミュラはどちらも雪など滅多に降らず、トナカイも生息しない地域だった。

 ニコラウスは慈悲深く、恵まれない人びとを支え続けたことから、死後に聖人の列に加えられ、船乗りの守護聖人であると同時に、乙女や子供の守護聖人としてヨーロッパ中で広く信仰された。

 キリスト教では聖人ごとの祝日が決められているが、聖ニコラウスの日とされているのは12月6日で、毎年その日になると、子供たちの一年間の言動を記した本を手に、厳めしい外見の従僕を連れて現われ、悪い子には従僕に命じて罰を与え、良い子にはご褒美としてプレゼントを与えると信じられていた。

 日本のナマハゲにも通じるところのあるこの風習は、主にオランダ系移民によってアメリカに伝えられてのち、資本主義の波に揉まれる過程で従僕は消し去られ、罰を与えることもなく、もっぱらプレゼントを残していく現在のような形式になった。

 トナカイに引かれた橇に乗り、赤い服に赤い帽子、赤い外套をまとった人の良さそうなお爺さんという風貌と出で立ちは、ドイツの挿絵画家モーリッツ・フォン・シュヴィントが1847年に描いたものが直接のモデルで、これまたオランダ系移民によってアメリカにもたらされ、普及したのだった。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
結婚を発表したPerfumeの“あ~ちゃん”こと西脇綾香(時事通信フォト)
「夫婦別姓を日本でも取り入れて」 Perfume・あ〜ちゃん、ポーター創業の“吉田家”入りでファンが思い返した過去発言
NEWSポストセブン
(写真右/Getty Images、左・撮影/横田紋子)
高市早苗首相が異例の“買春行為の罰則化の検討”に言及 世界では“買う側”に罰則を科すのが先進国のスタンダード 日本の法律が抱える構造的な矛盾 
女性セブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン