ビジネス

ビール離れの時代、キリンHDがファンケルと提携した意図

キリンホールディングスの磯崎功典社長

 国内のビール市場が15年連続で縮小することが確実ななか、「健康」の領域に照準を置き、多角化を進めているのがキリンホールディングスだ。2019年8月には、化粧品やサプリメントを手がけるファンケルとの資本業務提携を発表したことも話題を集めた。これからの勝ち残り構想をどう描くのか、磯崎功典社長(66)に訊いた。

──このインタビューシリーズではまず、平成元年(1989年)当時の仕事を伺っています。

 1977年にキリンビールに入社し、最初の7年間は神戸支店に勤務しました。その後、東京本社の事業開発部に異動するのですが、当時の上司で後に社長を務めた荒蒔康一郎さんの助言もあって、1988年から2年間、米コーネル大学ホテル経営学部に留学しました。大学の勉強がとにかく大変で、毎日の睡眠時間は数時間ほどしかありませんでした。

 授業では、まず膨大なケーススタディのテキストを読んだうえで、企業の状況分析をして課題を抽出し、その解決のためにどんな戦略を取るか、3つ挙げます。

 さらにその戦略の中から1つを選び、選択理由を書く。これをすべて英語で、毎日みっちりやるわけです。

 具体例を挙げれば、「フィラデルフィアにホテルを作るなら、どんなホテルでどういうお客様に来ていただくか。また採算性や人事やマーケティングはどのように組んでいくか」というディベートを、5人ぐらいで徹底的にやるんです。

 その後は実践を学ぶためミズーリのホテルの採用試験を受け、労務管理や財務、設計などの実務を1年間体に叩き込みました。本当に鍛えられたし、後々のビジネスマン人生で非常に役に立ちました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン