晴海や豊洲など東京都内の湾岸エリアは、タワーマンションなどが建ち並び開発が進んでいるが、いま注目されているのが、江東区・有明エリアだ。大規模な商業施設やタワマン建設が急ピッチで行われ、来年の東京五輪を前に新たな人気スポットになりそうな気配も。果たして有明の未来は本当に“明るい”のか。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がレポートする。
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東京五輪の開幕が迫っている。ということは、閉幕も近づいているということだ。
五輪の競技会場の多くが、東京都江東区の湾岸エリア・有明に仮設されるが、五輪閉幕後は撤去される予定の施設もある。そうなれば、有明は元の有明に戻されてしまうのだろうか。
ひとつ、五輪開催前後で大きく変わることがある。それは「ショッピングシティ 有明ガーデン」という複合商業施設が開業することだ。
予定ではオープンは2020年の春とされている。有力なテナントは、8000人収容といわれるイベントホール、劇団四季有明劇場、イオンスタイルなど。商業施設の延床面積は約17万2500平方メートル。豊洲のららぽーとが約16万5000平方メートルだから、それを凌ぐスケールだ。この有明ガーデンが、五輪後の有明を変えるだろうか?
もともと、江東区の有明というエリアが埋め立てられて今に近い状態になったのは、1971年頃とされる。ポツポツとタワーマンションが建ち始めたのが15年ほど前からだ。それまで30年以上の長きにわたって放置同然の状態に置かれていた理由は何なのか。