旧アテンザの「マツダ6」(同社提供/時事通信フォト)
3代目は2007年にデビュー。今度は一転してサイズダウンし、Bセグメントのステーションワゴンという位置づけから、主に2人乗りを想定したシティコミューター的なモデルに変身し、車重も1トンを切って軽量化。カーデザインも2代目までに比べて、曲面を多用して前衛的にしている。
大きくコンセプトチェンジしたことで、当初は社内に不安もあったそうだが、まずまずの成果を収めた。ちなみに、2011年に大幅改良した際に導入した、1300ccのSKYACTIVガソリンエンジンの燃費は、リッター30kmを計測したことで、ハイブリッド車にも負けないと話題になっている。
そして2014年に登場した4代目。マツダの他車種同様に魂動デザインが採用され、日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。マツダの幹部はこう語っている。
「デミオの系譜は、Bセグメントのクルマの常識を打ち破ることにあります。初代は初となるシートアレンジ。2代目は世界で戦える走りとニーズのバリエーション。3代目はボディサイズを小さくして効率さを増しながら走りの良さを維持。4代目はコンパクトクラスでのディーゼルエンジンの復権でした。
4代目の発売当初は、ガソリンとディーゼル半々か、ちょっとディーゼル車のほうが多い感じでしたが、徐々にガソリンエンジン車が増えて、いまは4分の1がディーゼル、4分の3がガソリンです」
2019年、マツダはペットネームを廃止し、「アクセラ」改め「MAZDA3」としたのを皮切りに、フルモデルチェンジを待たずして、デミオを「MAZDA2」に、「アテンザ」を「MAZDA6」に変えている。その変更を機に、同年9月から売り出したMAZDA2は、クルーズコントロールや電動パワーシート、ステアリングヒーター等々、快適装備、安全装備ともに大幅なグレードアップを施し、静粛性も一段と向上させた。
それに連動して価格も上がり、ベーシックタイプで5万円程度、ガソリン車の上級グレードで24万円、ディーゼル車の上級グレードで34万円、それぞれ価格がアップしている。
MAZDA2として設定した月販目標台数は3500台だが、出足の9月は消費増税直前ということもあって5560台まで伸びたが、その反動減や台風などの影響もあった10月は2240台に落ちている。MAZDA2としての市場評価は、もう少し様子を見ないとわからないだろう。