これまで、初代から数えて6年→5年→7年というモデルチェンジサイクルできているので、新型のMAZDA2は、早ければ2020年内、遅くても2021年には登場と目される。
東京モーターショーで世界初お目見えした、EVの「MX-30」は、まず欧州で2020年秋頃に投入予定だから、仮に日本でもデビューするとなれば翌2021年だ。2020年はマツダにとって創業100周年という節目でもあるので、そのアニバーサリーイヤーにニューモデルがまったく出ないというのは考えにくい。
となると、2020年後半から年末の間のどこかで新型MAZDA2が登場する可能性は、期待値も込めて言えば高いのではないか。
仮に登場した場合、従来のように新型MAZDA2がハッチバックタイプのみになるのか否か。そうであれば、MAZDA3のスモール版のようなデザイン、フォルムになるのか。あるいは遅れてSUVタイプも追加され、MAZDA3(ファストバックとセダン)と「CX-30」(SUV)の関係のように、現在の「CX-3」を廃止して「CX-20」(仮称)も出てくるのか──いろいろ気になるところだが、CX-30の開発主査である佐賀尚人氏は、過去にこんな話をしている。
「過去のSUVと現在のSUVとでは、お客様の使われ方がずいぶん異なってきています。私はSUVを敢えて“クロスオーバー”という表現でよく言うのですが、従来の乗用車に代替する車形としてクロスオーバーが好まれ出している。つまり、乗用車そのもののスタイルが変わってきたと受け止めているのです」
こうした流れを鑑みると、新型MAZDA2は一転、売れ筋であるSUVタイプのみになる可能性もあるかもしれない。さらに、発電してEVとしての航続距離を伸ばす、ロータリーエンジンエクステンダーが搭載されるのでは……といった観測も出ているようだ。
全車横断的に「魂動デザイン」を採用し、付加価値を上げて価格も上げる戦略を取ってきたマツダだけに、次のMAZDA2は、さらに質感や動力性能、安全・快適装備などのレベルを上げ、価格ももう一段上がりそうだ。マツダの幹部は、「価格性能比やコストなどを考えると、このBセグメントがある意味、一番難しい」と語っている。
マツダは、価格勝負の大衆車メーカーからは訣別したが、といって輸入車に伍するプレミアム感や高級感を持つブランド領域到達までには、まだ時間がかかる。その過渡期にあって、MAZDA2のようなエントリーカーこそ、現在の付加価値路線をどう体現するかが重要になる。それだけ、次期型モデルは注目を集めることになるはずだ。