ライフ

日本人が知らない「初詣」の秘密 実は“新しい風習”だった

すっかり年中行事と化しているが…(時事通信フォト)

 新年を迎え、一年の健康や願い事成就を祈念して神社やお寺に参詣する。初詣は古くから続く日本の良き伝統文化──と思いきや、実はそうではなかった。歴史作家の島崎晋氏が解説する。

 * * *
 とある深夜番組を見ていたところ、花柳界に詳しい作家で、國學院大學客員教授でもある岩下尚史氏が、初詣について語る内容に興味を引かれた。曰く、正月三が日の初詣は明治中期の鉄道会社が集客のために発案した「創られた伝統」で、一年の穢れを落として新年を迎えるためには年末にこそ参拝すべき、というのである。

 気になってネットで調べたところ、同様の主張が多数見られたが、よく見ると出典はどれも同じ。観光史と日本近代史を専門とする九州産業大学准教授・平山昇氏の著作『初詣の社会史 鉄道と娯楽が生んだナショナリズム』(東京大学出版会)か『鉄道が変えた社寺参詣』(交通新聞社新書)に拠っていた。

 初詣が明治時代の“発明”なら、それ以前の日本人は正月をどのように過ごしていたのか。彼らにとって、神社や寺は現代よりずっと身近な存在だったはずだ。平山氏の著作に加え、さまざまな関連書籍をあたり調べると、「年籠もり」「二年参り」「恵方参り」などがキーワードとして浮かんできた。

「年籠もり」は一家の主人が氏神の社に籠もり、大晦日の夜を眠らずに過ごすことを言う。一年に一度、あの世からやってくる年神(としがみ)をきちんと迎えなければ失礼に当たるという俗信に由来するもので、地方により禁を破った者は白髪が増えるとか皺が増えると言われていた。

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン