京都大学大学院医学研究科消化器外科医の山本健人氏が上梓した『医者が教える正しい病院のかかり方』は、病院にまつわる初歩的な疑問の数々に丁寧に答えた内容で、“気になっていたけど先生には聞きづらかった”と読者の共感を集めているという。
「手術を受けるとき」によく聞かれる疑問3つに山本氏が答えてくれた。
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【Q:病院は何を基準に選べばいい?】
私は「がん治療認定医」の資格を持っていますが、医師か病院のことでもっとも質問が多いのはやはりがん手術に関することです。とくに病院選びは患者さんの大きな関心事でしょう。
かかりつけ医がいる人はそこですすめられた病院がベストですが、そうでない場合、自身の病状と照らして、著しく症例の少ない病院はやめたほうがいいと言えます。症例数については各病院のHPなどで確認できます。
また、「手術をしてもらいたい医師がいる病院に行きたい」という患者さんもいらっしゃいます。
しかし医療は総力戦です。執刀を担当する医師以外に、麻酔医師も入れば看護師や臨床工学技士などの医療スタッフもいる。術後のリハビリや緩和ケア、退院後の地域医療との連携も重要な要素です。
執刀医が良くてもそれ以外が整っていなければ意味がない。「がん診療連携拠点病院」に指定されている病院かどうかが1つの指針になると言えるでしょう。