国内

坂東眞理子氏「下流老人にならないための」という煽りに懸念

2020年のたしなみについて語った坂東眞理子氏(撮影/小倉雄一郎)

 昭和女子大学理事長・総長の坂東眞理子さん(73才)が2019年春に出版した『70歳のたしなみ』がこの度20万部を突破。老若男女を問わず、世代を超えてたくさんのかたから共感の声が寄せられている。1月23日には『徹子の部屋』(テレビ朝日系。12時~12時30分)にベストセラー著者として出演し、本書について黒柳徹子さん(86才)と語り合っている。坂東さんはどんな気持ちで新年を迎えたのか。坂東さんへの新春インタビューをお届けする。

 * * *
 令和初のお正月は干支も子年が巡ってきて、スタート地点の真新しい気持ちで迎えられたかたも多いのではないでしょうか。清々しい気持ちになる新年は、一年の誓いを立てる絶好のタイミングです。

 私は例年、大晦日にその年にあった“よかったこと”を書き出すんです。日常には失敗したことや悪い出来事もたくさんあるけれど、そうした反省はさておいて、大晦日にはいいことだけを振り返ることにしています。

 2019年であれば、『70歳のたしなみ』をたくさんの人に読んでいただけたことや、馬場あき子さんの短歌結社『かりん』に入ったことが、私にとって「◎」のいい出来事でした。「〇」は長らく闘病していた大学時代の友人が病を克服し、電話で語らい合ったことなど。抗がん剤で治療していた頃は電話する気力も湧かなかったと聞いて、大切な友人が生きていてくれるだけで嬉しいなってね。

 そんなふうに振り返れば、夫婦の銀婚式を家族でお祝いしたとか、お孫さんが運動会で活躍して嬉しかったとか、きっとみなさんにもたくさんの「◎」や「〇」があるのではないかと思います。

 大切なことは、いいことだけを振り返るという心意気。いい出来事を心に刻むことで、「今後もまたいいことがたくさんあるといいな」と考えられる。明日をポジティブに、明るい気持ちで上機嫌に迎えられるんです。

 昨今、“下流老人にならないための備え”やら“寝たきりにならないためには”やら、殊更に将来の不安を煽り立てるような記事が多く気も滅入りがちです。しかし、そうした情報に惑わされることなく、等身大の自分がどういう生活をしたいのかを見つめるべきだと思います。

※女性セブン2020年1月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

川崎、阿部、浅井、小林
〈トリプルボギー不倫騒動〉渦中のプロ2人が“復活劇”も最終日にあわやのニアミス
NEWSポストセブン
驚異の粘り腰を見せている石破茂・首相(時事通信フォト)
石破茂・首相、支持率回復を奇貨に土壇場で驚異の粘り腰 「森山裕幹事長を代理に降格、後任に小泉進次郎氏抜擢」の秘策で反石破派を押さえ込みに
週刊ポスト
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
2020年、阪神の新人入団発表会
阪神の快進撃支える「2020年の神ドラフト」のメンバーたち コロナ禍で情報が少ないなかでの指名戦略が奏功 矢野燿大監督のもとで獲得した選手が主力に固まる
NEWSポストセブン
ブログ上の内容がたびたび炎上する黒沢が真意を語った
「月に50万円は簡単」発言で大炎上の黒沢年雄(81)、批判意見に大反論「時代のせいにしてる人は、何をやってもダメ!」「若いうちはパワーがあるんだから」当時の「ヤバすぎる働き方」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
“トリプルボギー不倫”が報じられた栗永遼キャディーの妻・浅井咲希(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》女子プロ2人が被害妻から“敵前逃亡”、唯一出場した川崎春花が「逃げられなかったワケ」
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“1000人以上の男性と寝た”金髪美女インフルエンサー(26)が若い女性たちの憧れの的に…「私も同じことがしたい」チャレンジ企画の模倣に女性起業家が警鐘
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン