◆地方活性化にもつながる
メリットのもう一つの側面、「日本代表の強化」について考えてみよう。強化される理由は、主に2つ。金銭面と環境面だ。
金銭面は、先ほどの「協会」としてのメリットから生まれる「強化費の増加」による。また、スター選手が高年俸をもらっているとなれば、それを目指そうという子どもたち(というか、その親たち)も増えるだろう。競技人口というのは、意外にこうした要素も小さくないので、低年齢層での裾野が広がり、才能ある選手の出現確率の増加にも寄与するだろう。
環境面では、海外の一流選手を呼んだり、海外のチームの参戦を許すなどが実現すれば、今よりも高いレベルのゲームを毎試合、各選手が経験できるようになる。これは、選手個々人、さらにはチーム、代表のレベルアップに直結する。
さまざまな問題点はあったにせよ、スーパーラグビーに参戦した「サンウルブズ」は、明らかに日本代表の強化に(部分的にではあっても)役立った。その発展形を日本のリーグで実現しようという試みが「プロ化」だと言っても過言ではないだろう。
「選手」「チーム(企業)」「協会」以外のステークホルダーのメリットについても、積極的にアピールして、味方を増やしていく必要がある。例えば、スタジアムを所有する地方の自治体や団体などが考えられる。
Jリーグなどと同様、フランチャイズ制を採用することが謳われているので、本拠地の地元への経済効果も小さくないはずだ(繰り返すが「成功すれば」という条件付き)。地域の活性化にも寄与するに違いない。