【Q:術前はダイエットするべき?】
太り過ぎは厳禁です。肥満患者さんは脂肪に病変が埋もれてしまい、目的の位置にたどり着くだけでも大変な場合もあります。
脂肪組織の中は血管が脆くなっており、出血しやすく止血にも時間がかかる。さらに肥満は動脈硬化のリスクから術後に心筋梗塞などの疾病を引き起こす危険性もある。
「手術後は食べられなくなるから栄養を蓄えておかなきゃ」と術前にどか食いをする患者さんもいますが、肥満の方は減量し、適正体重の方は維持しておくことが正しい手術の受け方です。
【Q:執刀医を希望することはできる?】
「執刀は絶対にこの先生にやってもらいたい」と、特定の医師を強く希望する方がいらっしゃいますが、それが叶うとは限りません。
さらに手術のスケジュールは過密です。患者さんの病状から病院側がベストなタイミングの日時を設定しても、希望した先生の都合が合わなければ延期となる。その間、病状が進行しどれだけ優秀な執刀医でもどうにもならなくなってしまうこともあり得ます。
無理に執刀医を希望するのではなく、病院側に任せるのが患者さんにとっても有益だと言えるでしょう。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号