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坂東眞理子氏 日本女性は若さ重視しすぎ、ワインを目指そう

女性の理想的な歳の重ね方を語った坂東眞理子さん(撮影/小倉雄一郎)

 昭和女子大学理事長・総長の坂東眞理子さん(73才)が2019年春に出版した『70歳のたしなみ』がこの度20万部を突破。老若男女を問わず、世代を超えてたくさんのかたから共感の声が寄せられている。この本に綴られた32の「たしなみ」は、70才のかたに限らず、明るく前向きに生きていくために必要なことばかりだからだろう。ベストセラー著者、坂東さんはどんな気持ちで新年を迎えたのか。そこには私たちが胸にとめておくべき、大切なヒントがたくさんあった。坂東さんへの新春インタビューをお届けする。

 * * *
 後ろ向きの気持ちほど人生をつまらなくするものはありません。「あぁ、年が明けてまた1歳年を…」など新年には年齢を意識しがちですが、どうかそこに囚われないでください。何しろウチの学生でさえ、“もう20歳になってしまった”なんて溜め息をつくのですが(苦笑)、私からすれば50代も60代もまだまだ若い盛りです。

日本ではいつまでも女性はフレッシュなフルーツや花であらねばならんと、若いことに価値を置きすぎるんです。その概念を捨てて、ぜひワインを目指しましょう。ヴィンテージを重ねることによって深みが増していくワインは、歳を重ねた女性の味わいそのものです。

 ただし、深みが増して美味しいワインになるか、腐敗して酸っぱいワインになるかは自分次第。上機嫌な女性とは違い、冷ややかで共感力がない女性は酸っぱいワインになりがちです。身近な人の幸せな姿に、「彼女と引き替え、私は」なんて卑屈な気持ちになると途端に酸っぱいワインになってしまう。知った人の成功には心が乱れるものですが、そこで「素晴らしいわね」と言えるおおらかさがワインを美味しく熟成させるのです。そして、いくつになっても“今日が人生で一番若い日”だということも忘れないでください。

 もうひとつ、2020年は他人と比べることを卒業しましょう。比べるべきは横の他人ではなく、自分の前と後ろ。自分の過去と比較して、くよくよするのではなく、昔よりどれだけ進歩しているかを認め、どれだけ愛する人に支えられているかを感謝をするのです。そのうえで、今より少し素敵な自分を想像して、それを目指して行く。日本の女性は歳を取ると人に迷惑をかけてはならないと、自己規制してしまうんです。

 余計なことをしまいと自重してマイナスをゼロに近づけようと断捨離に励むのもひとつかもしれませんが、ゼロを起点にプラスへ目を向けたほうが人生は断然、豊かになります。

 今さら新しいことを始めても無駄よ、なんてしゅんと俯かずに、この先の人生でどんなことができるだろうか、どんな人と出会えるだろうかと自分の前(未来)へ想いを馳せ、顔を上げて上機嫌に新年をスタートさせましょう。

◆1月23日に坂東眞理子さんが『徹子の部屋』(テレビ朝日系。12時~12時30分)にベストセラー著者として出演決定。出演は、『女性の品格』がベストセラーになった2007年以来のこと。久々の対面になった黒柳徹子さん(86才)と、『70歳のたしなみ』について語り合っている。

※女性セブン2020年1月16・23日号

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