ビジネス

アパレル業界「トンデモ店員」が販売不振に輪をかける悪循環

洋服選びに悩む客にアドバイスができない販売員が多い

洋服選びに悩む客にアドバイスができない販売員が多い

 正月の初売りセールで洋服をまとめ買いした人も多いだろうが、「近年、アパレルショップの接客対応が悪すぎる」と指摘するのは、ファッションジャーナリストの南充浩氏だ。南氏が実際に遭遇した“トンデモ販売員”の呆れた実態を報告する。

 * * *
 洋服を買いに行くのが嫌だという人は少なくありません。何が嫌なのか理由は様々でしょうが、最大の理由のひとつに、販売員が苦手というものがあります。確かに気持ちの良い販売員もいますが、中にはとんでもない対応をする販売員も多く見受けられます。そこで、個人的に出会った「トンデモ販売員」の例をいくつか挙げてみたいと思います。

 昨年、某カジュアルチェーン店の「ブラックフライデーセール」を覗いたときのことです。ブランド品が半額以下に値下がりしていて、思わず見入ってしまいました。

 その中から2990円に値下がりしたスキニージーンズをちょっと試着してみたのですが、思った以上にピチピチで、まるでレギンスかタイツを穿いたようになりました。私は顔も大きいし肩幅も広いため、あまりにも下半身がピチピチだと、どうにもバランスが悪く見えます。サイズ的には問題ないのですが、そもそもこれが似合っているのかさえ分からず、試着室で悩んでいました。

 すると男性販売員が「いかがですか?」と声をかけてきたので、カーテンを開けて「サイズは問題ないのですが、果たしてこのピチピチが似合っているのかどうか分からずに悩んでいたんです」と答えました。

 私はこれまでの買い物の経験上から、次に販売員がこんなアドバイスをしてくれるのではないかと期待していました。

「見慣れていないだけで、じつは他人から見たらそれほどおかしくはないですよ」
「もう少し太いシルエットの商品でもいいかもしれませんね」

 しかし、この販売員は「はい……」と言ったっきり口をつぐんでしまいました。しかもその場でじっと佇んでいます。これにはこちらも対応に困ってしまいます。普通の販売員なら、ここで「じゃあ、他の商品をお探しください」とか「何かありましたら、またお呼びください」とか、そういう返答をしてその場を立ち去ると思うのですが、「はい……」と言ったっきりその場を動こうとしない販売員に出会ったのは初めてです。

 さすがにこの対応にはイラっとして、「もういいです!」と答えて、そのスキニーを脱いで売り場に自分で戻しました。あの販売員はどういう考えだったのでしょう。いまだに謎です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン