芸能

小柳ルミ子 「パッション」がもたらしてくれた幸せについて

小柳ルミ子さんとボーク重子さんが対談

 50年もの間芸能界の第一線で活躍し、67歳になった今もサッカーに対するパッションで毎日が楽しいという小柳さんと、アメリカで現代アートギャラリーを開いて成功させ、50歳でライフコーチとして新たな挑戦を始めた現在54歳のボークさんの念願の対談が実現した。60代以上の人にこそ「パッション」が重要という前回の話に続き、後編となる今回はそれをどう見つけるか、という視点で話が進む。

 * * *
小柳ルミ子(以下、ルミ子):そもそも、パッションの芽はどの年代の人にも、誰にでも与えられているものだと思います。ただ、それを見つけられていない人がいるだけだと思うんですよね。

ボーク重子(以下、重子):同感です。見つけたとしても、やりとおさない人もいる。もったいないですよね。

ルミ子:そのあたり、母にとても感謝しています。私は物心ついたころからバレエシューズとレオタードを持ってダンスや歌のお稽古に行っていました。有無を言わさず(笑)。でも本人がイヤなら続きませんから、好きだったんでしょうね。たとえば、ピアノの稽古はもうイヤ、やめたいと言えば、母は「ああ、そう、イヤならやめれば」とあっさり言うんです。「自分で決めなさい」と。スタートは親が用意してくれたとしても、あとは進むもやめるも「自分で決めなさい」。これはずっと言われていましたから、責任感が生まれますよね。自分で決めたら何かあっても、「親がそう言ったから」と責任転嫁できないし。

重子:それは、前回のお話に出た「問題を解決する力」にも繋がりますよね。自分で決める=責任が生まれる=問題から逃げない=解決法を考える、となりますね。

ルミ子:もう逃げ場がない、誰のせいにもできないとなると、それがいつしかエネルギーに変わっていくんですね。自分で決めると責任が生まれるから、それがパッションを続けるエネルギーになるということですね。

 ブログに関しては、サッカーに続くパッションと言ってもいいかしら。テレビ番組の企画で大御所部門1位にならなければブログを閉鎖しなければならないということになり、本当に必死で更新したところ、たくさんのフォロワーさんがついてくださって無事1位になりました。それで閉鎖は免れたわけですが、その企画のおかげで、昭和歌謡なんてまるで知らない若いフォロワーさんが増えたのは嬉しい驚きでした。私が好きなファッションやコスメ、美容の話を共有することもできて、すごく楽しい。これもまた、芸事の世界のみで生きていたら、知り得ることのなかった喜びです。まさに年代を超えてさまざまな人と交流できること。これもパッションがもたらしてくれた幸せです。

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