日本メディアに対する拭いきれない不信感が露呈していた。本誌スタッフとして会見に参加した在欧州ジャーナリストの宮下洋一氏が語る。
「レバノンやフランスのメディアには、ゴーン氏は機嫌良く笑顔を見せ、やっと自らの思いを伝えられる解放感に満ちあふれていたのに対して、我々日本のメディアに対してだけはほとんど笑顔を見せませんでした。眉間にしわを寄せ、厳しい表情で訴えていました」
会見には、保釈中は面会が禁止されていたキャロル夫人も顔を見せた。彼女も終始ご機嫌の様子だったが、会見後に本誌が、彼女に対して東京地検から出された逮捕状(偽証罪)について聞くと、一転して顔を曇らせ、一言こうつぶやいた。
「日本の司法は残酷よ」
●取材協力/宮下洋一(在欧州ジャーナリスト)
※週刊ポスト2020年1月31日号