八角理事長(元横綱北勝海)の指導力も問われる(時事通信フォト)

◆横審・前委員長の苦言

 2017年12月に白鵬の粗暴な取り口への苦言を呈した横審前委員長・北村正任氏を直撃し、改めて思いを聞くと、「もうあまり(中継を)見ていないんですが……」としながらも、こう話した。

「(カチ上げや張り手は)禁じ手ではないので見る人がどう思うかですが、私はあまり好きじゃないということです。(番付が下の力士は)誰も白鵬を叩いたりカチ上げたりしないですからね。上だけが下を叩くというのはどうなのか。不公平じゃないかとは思います」

 国技の最高位たる横綱として相応しいのか、厳しいまなざしが向けられている。とりわけ今場所は、場所前に挑発的な言動が目立っていたから当然だろう。

 番付発表を受けての昨年12月24日の記者会見では、優勝した先場所でカチ上げや張り手を連発したことが横審に「見苦しい」と批判されたことを問われても、「そんな話が出たんですか、全く知らなかった」と涼しい顔。「自分の相撲を取るだけ。禁じ手というものでもないので」と意に介さない様子だった。

 さらに年明け1月6日の稽古総見では、九州場所で唯一の黒星をつけられた大栄翔(小結)を指名し、エルボー気味のカチ上げや張り手を連発。

「八角理事長(元横綱・北勝海)は高安(関脇)に白鵬と三番稽古をやるように促し、高安も土俵に入ろうとしたが、白鵬が受け付けなかった。稽古後、北の富士さんが“理事長を無視か……。相変わらずマイペースなこと”と呆れていました。“何が悪い”といわんばかりの居直りと見られても仕方がないでしょう。

 さらに年末年始には家族でオーストラリア旅行、稽古総見の前夜にはプロレス観戦と余裕たっぷりでした」(前出・担当記者)

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