厚底は市民ランナーからも人気(共同通信社)

 ただ、巨額賠償問題に発展するかをアトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士に聞くと意外な答えが返ってきた。

「新たな規制によって、得られたはずの利益が失われたとして、損害賠償が成り立つかといえば、法律的には厳しいと思います。世界陸連側には規則変更の裁量があるわけです。世界のトップランナーが使えなくなったことで、市販品の売り上げにどれだけ影響があったかを立証することも難しいと思います」

 こうした騒動はアシックスやミズノなど、ナイキの後塵を拝してきた日本のメーカーには追い風に見える。

 実際、騒動の第一報が出た翌日の1月16日には、アシックスの株価が急伸した。それだけに、「東京五輪の公式スポンサーであるアシックスへの配慮から規制問題が浮上したのでは」(スポーツ紙デスク)という声も聞こえるが、スポーツライターの酒井政人氏はこう解説する。

「トップ選手のなかには、メーカーとの契約があって、ナイキのシューズを使えない選手もいる。今回の規制問題は、あまりに好記録が続出するなか、ナイキを使用できないアスリートグループが世界陸連に不満を訴えたことが発端とされています」

※週刊ポスト2020年2月7日号

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