最後の1枠は誰の手に(写真/GettyImages)
同じ陸上でも、混沌としているのが100mの代表争いだ。日本人として初めて“サブ10”を記録した桐生祥秀(日本生命)、昨年6月に9秒97の日本記録を樹立したサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)に加え、小池祐貴(住友電工)も五輪参加標準記録(10秒05)をクリア。6月の日本選手権3位以内で代表に決まる。だが、山県亮太(セイコー)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、飯塚翔太(ミズノ)、多田修平(住友電工)も力があり、標準記録を突破すれば立場は瞬く間に逆転する。
女子レスリングでは、リオ五輪69kg級金メダリストの土性沙羅(東新住建)が昨年12月の全日本選手権準決勝で敗れる波乱があった。同大会の優勝者である森川美和(日体大)と3月8日に味の素ナショナルトレーニングセンターにて行われるプレーオフに挑む。
女子ゴルフでは、米国ツアーで活躍する畑岡奈紗(フリー)がほぼ当確。昨年、全英女子オープンを制し、シンデレラ・スマイルで時の人となった渋野日向子(サントリー)と昨年の国内ツアーで賞金女王となった鈴木愛(セールスフォース)が2枠目の椅子を巡ってマッチレースを展開中だ。
しかし、オリンピックランキングで15位以内に入っていれば最大4人まで出場枠が広がるため、3番手につける鈴木が13位という現状をキープさえできれば、三者揃って出場が可能だ。
ラスト1枠に食い込めるか否か。それはまさしく天国と地獄である。
※週刊ポスト2020年2月21日号