まず考え直したいのは、友人との関係です。私は大学を卒業してからずっと仕事を続けていますが、友達は10人前後しかいません。大切なのは友人の数ではなく、いかに深く長い付き合いができるかです。
「友人をたくさん持つのがいいこと」ではありません。友人が一人増えるごとに人生はしんどくなり、トラブルの種が増えます。
私たちの最大のストレスの元は人間関係だからです。老後を煩わされたくなければ、できるだけ人間関係を切っていくべきです。
家族との関係も見直すべきです。とくに介護は誰にとっても深刻な問題ですが、親も子も「子供は親の面倒をみるのは当たり前」という考えは捨ててほしい。
動物は一度巣立ったら、それぞれが自分の力だけで生きていきます。いつまでも親子が密着するのは人間だけです。「家族だから助け合うべき」「家族だから同じ考えであるべき」と考えることこそ、「家族という病」の元凶です。
◆男はやせ我慢
人間の原点は「孤」でしかありません。「孤」を受け入れられないと、一生誰かを頼って暮らすことになります。
親子といえども別の人間だからこそ、同居するのはできるだけ短期間にして、ある程度身の回りのことができるようになったら、子供とは別居すべきです。ひとりになることで親も子供も自分と向き合い、成長することができます。