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かつてエボラと戦った医師 恐怖や不安感じる暇なかった

医療従事者は命がけ(写真/共同通信社)

 新型肺炎が猛威を振るうなか、感染性や病原性の強い一類、二類感染症に対応可能な指定医療機関は全国に約400施設。特別な設備を持ち、感染症治療の専門知識や経験が豊富な医師、看護師らが常駐する。現在、感染性や病原性の強い一類、二類感染症に対応可能な指定医療機関は全国に約400施設。特別な設備を持ち、感染症治療の専門知識や経験が豊富な医師、看護師らが常駐する。

 自らの感染リスクがあるなかで患者のために尽くす医療従事者たち。都立病院の場合、新型コロナの治療にあたる医師・看護師らには「防疫等業務手当」が支給されるが、その額は「一律日額340円」(東京都総務局人事部)だという。

 医療従事者を感染症との戦いへと突き動かすのは、もはや報酬などではない。それを端的に示すのが、致死率平均50%という危険な感染症・エボラ出血熱の医療支援のため現地入りした各国の医師たちだ。

 アフリカで感染が拡大した2014年、「国境なき医師団(MSF)」の医師として西アフリカ・シエラレオネに派遣されたMSF日本会長の加藤寛幸氏が語る。

「気温が40度にも達する中で、防護服を着て作業すると体感温度は60度にもなります。(治療センターでの活動は)1回1時間以内と決められていましたが、肉体的には非常に過酷な作業でした」

 二次感染防止の対策が講じられているとはいえ、患者の血液や体液に触れるリスクはゼロではない。実際、患者の点滴管が外れ、飛び散った血液を浴びた人が感染した例もある。二次感染により死亡した医療関係者は500人以上にのぼるが、恐怖心はないのか。

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