「たとえ、ボランティアが熱中症で倒れても、建設現場の人が亡くなっても、IOC・JOC・大会組織委員会・日本スポーツ振興センター・東京都は互いに顔を見合わせるだけで、自分たちに責任はない、という立場でやり過ごそうとします。1兆5000億円という莫大な費用をかけて挙行するのに、その尻ぬぐいをし、迷惑を被るのは、結局、税金を払う都民です。
復興五輪などと聞こえのいい言葉を並べながら、実際は、被災地復興のために必要な資材や人材が東京五輪のために取られている。結果として、一部のメディア、広告代理店、大手建設会社だけが儲かるシステムになっているのが現状です」(小笠原さん)
4年に1度の大舞台で活躍するために、日々努力する選手たちの思いには敬意を表したい。ただ、それを司る運営システムサイドがあまりにもお粗末だ、と今回意見を寄せてくれた4人の識者たちは口をそろえる。
五輪は誰のために行われるものか、もう一度、立ち止まって考え直したい。
※女性セブン2020年2月27日号