荒れた山道でも不安なく快適に走れる(日産・ノート)
ゴーンショックですっかり元気を失ってしまったかに見える日産だが、技術力やクルマづくりの知見は世間のイメージほどには落ちていない。
筆者は現行ノートでもe-POWERの実力値を見てみることを主目的に東京~鹿児島を3500kmツーリングしてみたことがあるが、e-POWERのパフォーマンスよりもポテンシャルに限りのある新興国向けベーシックカー用プラットフォームを使ってよくもここまで走りを仕上げたものだということのほうが印象に残ったくらいだった。
日本車のサブコンパクトカーの中で最良の直進安定性と、アンダーステア(一定の旋回を続けるのにハンドルを切ることが必要な状態)が非常にわかりやすいハンドリングチューンにより、荒れた山道から高速道路まで、不安なく走り通すことができた。
こうしたクルマ作りのノウハウを生かしつつ、性能的に余裕のあるプラットフォームを使えば、現行より大幅に良いクルマを作ることも十分に可能であろう。
また、エンジンについても日産は「e-POWER用を前提に世界最高水準の効率を実現させる」とコメントしている。次期ノートのエンジンがそれをフルスペックで実現させるものになるわけではないだろうが、少なくともマイルストーンたり得るだけの技術は投入してくることだろう。
トヨタvsホンダの激突に日産が割って入ってくるサブコンパクトクラスは、今年の日本の自動車マーケットのなかでもとりわけ盛り上がるカテゴリーとなりそうだ。
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