地域の寺と関係を結ぶ「檀家」も悩みのタネだ。50代男性が言う。
「父が亡くなって母は施設に入所していますが、困ったのが曾祖父の代から続く菩提寺との関係。帰省する機会も少ない私が檀家付き合いを続けるのは負担が大きいです」
檀家が改葬などのため寺から「離檀」する場合、離檀料を取られるケースがある。金額は寺が独自に決めるが、10万~50万円が相場とされる。僧侶でジャーナリストの鵜飼秀徳氏が語る。
「田舎の父母がお寺とのお付き合いを積極的にされていた場合、息子さんがそれを引き継がねばならないと考えるかもしれません。ただ、前提として檀家の集まりに参加することは義務ではありません。お墓の管理料は当然生じますが、お布施も義務ではありません」
一定の節度を保てば、最低限の負担で檀家付き合いは続けられるという。
「最低限必要なのは、お寺と連絡を取ることで、自身の消息はしっかり伝えるべきです。過去には5年間、墓参りをせず管理料も振り込まなかった方が久しぶりに寺に行ったら、墓がなくなっていたという出来事もありました」(鵜飼氏)
◆かつての上司に誘われたら
定年まで勤めていた会社の「社友会」も、重荷になることがある。第一勧業銀行(現みずほ銀行)出身の作家・江上剛氏(66)はこう明かす。