「息ができず、苦しくて“このまま死ぬんだ”と諦めたとき、呼吸が楽になり、溺れる自分を少し上から客観的に見ているもう1人の自分に気がつきました。池の底の強い光に吸い込まれるように入ると、中は真っ暗。暗闇の遠くに見える光があって、近づいてその光に入ると別の惑星で生まれ変わっていました。

 その惑星で、私は子供から年老いて死んでいくまでの人生をやり直しました。その後、控室のような部屋に。次に生きる惑星を選ぶよう言われ、迷わず地球を選ぶと、次の瞬間、自分が池の畔に横たわっていたのです」

 いずれも、臨死体験について調査研究をしている明治大学意識情報学研究所の岩崎美香さんが聞いた体験談だ。

「臨死体験は突発的な事故や心臓発作のような急病、出産時など、生命の危機が迫ったようなときに起きています。誰にでも起きる可能性があることで、体験者のほとんどが夢とはまったく違うとはっきり断言します」(岩崎さん)

 お花畑や川、光や暗闇など、臨死体験には共通のパターンがあると言うのは、スピリチュアルな現象に詳しい中部大学教授の大門正幸さんだ。

「多くの人の体験で共通しているのは、体外離脱で自分を上から見てからトンネルのような暗いところに入り、やがてまばゆい光に出合う。その光に包まれて心地よさを感じながら、走馬灯のように人生を回想します。自分の人生だけでなく、自分とかかわった相手の気持ちを追体験するケースもあります」

 その後、この世とあの世の境界の手前まで行き、自分を呼ぶ声が聞こえたなどのきっかけがあって戻ってくるのが一連の流れだという。

「年齢や性別、国籍が違っても臨死体験は共通のパターンがある。すなわち、人間の心の重要な部分を反映した体験であることは間違いありません。普段、私たちの脳は五感を通して入ってくるいろいろな情報を処理しています。その脳の働きが弱まったとき、人間が潜在的に備えている力が発揮されると考えられます。臨死体験やお迎え現象は、脳が動いていない中での体験ですから、その存在に納得がいきます」(大門さん)

 岩崎さんは、研究を通して、臨死体験者にある共通する変化が見られたという。

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