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野村克也さん「幻のロッテ監督就任」、実現しなかった背景は

プロ野球指導者たちに多くの教えを遺した野村克也氏

野村克也さんがロッテの監督になっていたら、チームの歴史は変わったか

 現在プロ野球12球団で最もリーグ優勝から遠ざかっているのは、オリックスの24年。次いで横浜DeNAの22年、阪神とロッテの15年となる。

 中でも、特異な成績はロッテだろう。1974年、前期と後期の1位チームがプレーオフを戦う制度で優勝を果たし、日本シリーズでも中日を破って日本一になった。だが、1980年代後半から低迷し、1986年から2004年までの19年間でAクラスはわずか1回だった。

 2005年、バレンタイン監督のもとでリーグ戦を2位で終え、プレーオフで1位のソフトバンクを倒し、31年ぶりのパ・リーグ優勝を遂げる。2010年にはシーズン3位ながらもクライマックスシリーズ(以下CS)を勝ち上がり、日本シリーズでも中日を下して日本一に輝いた。2005年はプレーオフで勝ったチームが優勝という規定だったが、2010年はシーズンとCSは別物であり、3位チームが日本一になった史上初のケースだった。

 つまり、ロッテは1974年を最後にシーズンで年間勝率1位にはなっていない。だが、もしもあの人が監督に就任していたら、プロ野球史は変わっていたかもしれない。

 1978年、ロッテは3年ぶりにBクラスに転落。その責任を取って、金田正一監督が辞任。この年南海から移籍してきた野村克也選手が後任候補に上がっていた。著書『プロ野球重大事件 誰も知らない”あの真相”』(角川書店、2012年発行)のなかで、野村氏自身が語っている。

〈シーズンも終わろうとしていた九月、ロッテの重光オーナーから呼び出しを受けた。自宅に私を迎えたオーナーは、単刀直入にいった。「監督をやってくれませんか」〉

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