かつて、多摩川下流の「六郷橋」から河口までは「六郷川」と呼ばれていた。首都直下地震では、東京湾からの直接の津波以上に、津波が河川を遡上する「河川津波」が危険視される。なかでも「六郷川」周辺は、危険性が高いとされる。
◆「湧き水」のたまる谷は地盤が弱くなりやすい
東京には608地点の湧水地点がある。谷地形の部分には湧き水がたまりやすく、水はけの悪さから地盤が軟弱になりやすい。「洗足池」も台地の崖から染み出た湧き水がたまったものである。
◆大地震で「崖崩れ」が頻発する恐れ
湧き水の出ている場所のほとんどは崖になっており、「土砂災害警戒区域」に指定されているところも。擁壁が堅固でない崖は崩壊の可能性が高いため、地震時は近づかないよう注意を。
◆地名は「丘」でも地形は谷底
暗渠化されているため気づきにくいが、「旧・呑川」と「旧・九品仏川(くほんぶつがわ)」は緑が丘駅付近で合流している。それらの川が流れる「緑が丘」「自由が丘」は地名に反して谷地形であり、揺れやすい。
◆液状化リスクが高い多摩川沿岸地域
明治時代まで、多摩川沿いには一面に水田が広がっていた。現在は直線的に流れるが、かつては大きく蛇行しており、旧河道の周辺地域はいまでも液状化リスクが高い。
※女性セブン2020年3月19日号