「高齢者は充分人生を謳歌したのだからあまりもう迷惑かけるな」的価値観を抱く若者・中年が今回は不満を爆発させている状況にある。昨年「上級国民」と大批判された池袋暴走事故の加害者・飯塚幸三元院長(88)も妻と一緒にフレンチを食べに行くために車を運転し、事故を起こした。これもアクティブと解釈される。
若者・中年はそんな時間もないしカネもない。不況の時期しか経験していないし将来も不安だ。だからこそ“逃げ切り”が可能なアクティブシニアが叩かれている。「年長者を敬いましょう」的価値観崩壊は間近だろう。
●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など
※週刊ポスト2020年3月27日号