ライフ

泉麻人氏 大阪万博会場は全体が巨大な宇宙基地のようだった

泉氏の万博グッズコレクションの数々

 半世紀が経った1970年の日本万国博覧会(通称:大阪万博)の入場者数は2010年の上海万博に抜かれるまで、万博史上最高の6421万人以上だった。その来場者の一人だった、コラムニストの泉麻人氏(63)が、当時の思い出を語った。

 * * *
 万博の年、僕は中学2年生。その2年ぐらい前から新宿西口広場に「万国博まであと○日」という掲示板が設置されていて、新宿に遊びに行った時などに眺めた記憶があります。ノートの端に桜をモチーフにした万博のシンボルマークもよく描いていました。ただ、それほど期待感が高かったわけではなく、学校の友だちもそんなに万博の話をしていなかったんですよね。

 万博には母親と2つ下の弟と一緒に夏休みに一度行きました。その頃僕は切手少年で、大きな郵便局の自販機にセットされている「御使切手帳」というのを集めていたんです。万博中央郵便局で万博ものの切手帳を買うのが第一の目的でした。

 名古屋まで新幹線で行き、父親が昔世話をした人が経営していたホテルに泊まり、そこからハイヤーを出してもらうという大名旅行で。琵琶湖畔のホテルで一泊し、翌日高速に乗って会場に向かうと、彼方に金色に輝くSFっぽい雰囲気のドーム屋根が見えました。てっきり何かのパビリオンだと思っていたら、とある新興宗教の建物でした(笑い)。

 会場に着いたら、とにかく人がたくさんいた。太陽の塔もアメリカ館もものすごい行列で、入るのを諦めました。それでアメリカ館の斜向かいにあり、「人間洗濯機」を展示していたサンヨー館などに入ったんですね。もうひとつよく覚えているのはとにかく暑かったこと。暑さのためか人が倒れ、救急車が来る場面にも遭遇しました。パビリオンの写真はないのに、それを撮ったスナップが1枚残っています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン