スポーツ

センバツ中止 決断遅れた背景に高野連の潤沢な資金が影響

高野連元事務局長の田名部和裕・理事

 日本高等学校野球連盟は3月11日に「センバツ中止」の判断を下した。会見では高野連の八田英二・会長や毎日新聞の丸山昌宏・社長らが「苦渋の決断」などと繰り返した。

 せっかく勝ち取った甲子園出場が幻となった球児たちの心は察するに余りあるが、その一方で「他の学生スポーツは軒並み中止なのに、なぜ高校野球だけ特別扱いなのか」との批判も巻き起こった。

 たとえば、同時期に開催予定だったテニスの全国選抜高校大会や、全国高等学校柔道選手権大会なども早々に中止を決めている。そう考えれば「無観客開催」というのは高校スポーツの中では異例中の異例の措置だ。それでも高野連が「独自路線で構わない」と考えていたのは「甲子園は特別」という自負からだ。

「他のスポーツは高体連(全国高校体育連盟)に属しているが、高野連は別組織になっている。それもあって、高野連の幹部たちに他のスポーツと足並みを揃えようという意識はない。特にセンバツと夏の甲子園は規模も注目度も他の学生スポーツイベントとは比較にならない。“世論も開催を後押ししてくれるだろう”と高野連の幹部たちは高をくくっていたところがある」(運動部記者)

 また、潤沢な資金があることも結論を引き延ばす一因となった。“高野連のドン”との異名を取る実力者であり、今回早くから「中止にする勇気も必要」と言及していた元事務局長の田名部和裕・理事は、会見の4日前の本誌取材にこう答えていた。

「高野連では今回のような難しい問題が起きた場合でも大会が開催できるよう、過去5大会の支出金の平均額の大会準備金を積み立ててある。これが他の高校スポーツとは違うところです。しかし、それでも開催するなら相当な覚悟でやらなければいけない。大会が始まっても中止するくらいの勇気が必要です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン