ビジネス

コロナ禍直撃の地方空港 静岡空港は開港初「国際線ゼロ」に

欠航便が相次ぐ羽田空港(時事通信フォト)

欠航便が相次ぐ羽田空港(時事通信フォト)

 全世界で猛威を振るうコロナショック。各国の入国拒否、移動制限で航空業界は壊滅的な打撃を受けている。その影響は経営基盤の脆弱な地方空港を直撃。各地で悲鳴が上がっている。地方空港の惨状をジャーナリストの山田稔氏がレポートする。

 * * *
「スカンジナビア航空 従業員約1万人を一時的に解雇」「キャセイ航空、旅客便をほぼ欠航へ」「ANA客室乗務員約5000人を一時休業へ」──。航空業界に逆風が吹き荒れている。新型コロナウイルスの感染拡大で航空需要が大幅に減少し、経営を大きく圧迫しているのだ。

 オーストラリアの航空業界コンサルティング会社CAPA航空センターは、「各国・地域の政府と航空業界が連携した対応を取らない限り、多くの航空会社は5月末までに経営破綻に追い込まれる」というショッキングなレポート(3月16日付)を発表した。

 一方、世界の航空会社290社を代表する国際航空運送協会(IATA)は、新型コロナウイルス危機を乗り切るためには1500~2000億ドル(約16兆~21兆円)規模の政府支援や緊急措置が必要だと指摘した。航空業界の危機的状況が伝わってくる。

◆1日4往復8便しか飛ばない福島空港

 世界的に国際線の大幅減便が続いているが、国内も大変な状況が続いている。JALは3月19日、3月29日~4月5日の期間の国内線の減便を発表。対象は55路線で計1268便。ANAも3月23日、4月1日~4月28日までの国内線58路線、計3788便の運休、減便を発表した。このほかLCCも減便が相次いでいる。

 そのしわ寄せが及んでいるのが地方空港だ。開港から27年経った福島空港は、2月1日から3月28日のダイヤでは、福島─札幌(新千歳)線が1往復2便、福島─大阪(伊丹)線が4往復8便、合わせて一日5往復10便が発着していた。

 ところが、大阪線を運航するアイベックスエアラインズが3月21日~3月31日までの11日間、2往復4便のうち1往復2便の運休を発表したため、福島─大阪線はANA2往復4便と合わせ1日3往復6便体制に縮小。ANAの札幌線を含めて1日に4往復8便しか飛ばない状況となった。

 福島─大阪線の搭乗率は、昨年3月は1日平均68.5%だったが、今年は3月1日~3月12日は約35%に落ち込んでいた。地元紙は〈経営的にも切迫しており、断腸の思いで運休を決断した〉とのアイベックスエアラインズ社のコメントを報じていた。

 福島空港の関係者によると、昨年度の国内線の搭乗率は60.2%だったという。コロナショックで急激に落ち込んでいるようだ。「この状況が長引くと厳しいですね」という問いかけに、関係者は「そうですね」と言葉少なだった。

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン