「裕一は主人公にしては内気で弱気だけど天才。戦時中には自分が作った歌を歌って出征していく姿に胸を痛めるなど、いろいろな人生の局面を青年期から40年近く演じられるのは…と考えて、窪田さんにお願いすることになりました。音役の二階堂さんは、オーディションで選考。演技力は抜群な上に歌もしっかり歌っていただいて、音の芯の強さも持ち合わせていると思いました。撮影が始まって気づいたのは、芯のある芝居はもちろん、2人ともコメディーセンスが抜群なんです!」
◆タイトルバックは裕一と音、双方の故郷で撮影!
タイトルバックでは裕一が指揮をしたり、裕一と音が海辺で走るシーンが美しい景色とともに描かれている。
「裕一の故郷・福島と音の故郷・豊橋(愛知)で撮影しているのがこだわりで、森と教会は福島、海は豊橋です。撮影時間がタイトな中、森の中で光が差し込むシーンは日が沈む5分前に奇跡的に撮れたんです。海辺の撮影も晴れ間が少ない時期だったのですが、撮影のときだけ奇跡的に晴れて、強運の2人だなと思いました(笑い)」
◆見えないところまでこだわりぬいた小道具
裕一が音楽と出会う蓄音機は当時のものなど、小道具も細部にまでこだわりが。
「現場で感動したのは衣装のストッキング。映像には映らない部分なんですけど、当時のストッキングは後ろに縫い合わせの線が入っているんですね。かつての衣装部さんが、これはゆくゆく手に入らなくなるだろう…と大量にストックしてくれていたものがあって、それを今回使っています。BS4K放送もスタートするので、楽譜や新聞の文字なども全部映ってしまう。だから小道具にも、いままで以上に手間と時間をかけています」
◆裕一と音は“文通”で愛を深めていく