「楽天ユニオン」代表のID等が、どのようにして第三者に渡ったのか。同代表に直撃した。「確かに、日経の記者さんにIDとパスワードは伝えました」と認めた。

「楽天市場の規約を見たいと言われ、紙になったものがないためサイトで見てもらおうということでID等を伝えました。そのアカウントは個人情報が見られないもので、問題ないと考えました。一般の人が見られない規約だけを見てもらうためにID等を伝えただけで、僕自身は不正だと思っていません」(代表)

 楽天に、日経からの不正なアクセスがあったとの検証結果について問い合わせると、「調査中のため、詳細は非公表」としながらこう回答した。

「管理システムに通常の店舗様からアクセス実績がない店舗様以外の方と思われる複数のIPアドレスからアクセスがあったことを確認しています。システムへのアクセスは出店店舗様のうち特定の方、ご本人のみ許諾をしております。自店舗のIDやパスワードを第三者に渡して閲覧できるようにすることは規約違反となり、違反当該行為を行なった出店店舗に対しては然るべき法的措置を行なう可能性があります。(ログインした場合は)その店舗での購入者の個人情報(氏名、住所、電話番号、購入商品)をシステムを通じて確認することができます」(広報)

 顧客のカード情報とメールアドレスは保護され、見られることはないというが、記者は他人のID等を使って楽天の管理システムに入ったということになる。日経はこう答えた。

「当社記者は取材目的で楽天が出店者向けに提供している情報を閲覧しました。詳細を調査中ですが、法令違反に当たる行為とは考えていません。また、取材源に関する御質問等については、報道機関の立場からお答えできません」(広報室)

 電子情報が氾濫する中、どこまでが「取材活動」なのか。その判断はメディアにとっても重大だ。

※週刊ポスト2020年4月10日号

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