■鰹タタキ(1500円) 『深夜食堂』17集 第237夜

薬味をたっぷりのせた絶品かつおタタキ

・才谷屋 東京都江東区新大橋1-1-6 フラッツ新大橋 1F
営業時間…17時~23時
定休日…日・祝

 かつおは滋養強壮に欠かせない栄養素の宝庫で、貧血予防や体力回復にはもってこいの食材だ。特に血合い肉には鉄分やタウリン、EPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸などが豊富だが、生臭さが気になるという向きも多い。そんな人でも美味しく食べられる調理法が藁で一気に焼きあげる「藁焼き」だ。

 土佐であみだされた調理法で、藁で燻すことにより、藁の香りがかつおの旨味を引き立ててくれる。しかし、「かつお本来の旨さが味わえるのは刺身かバーナーなどでサッと炙ったタタキ」だと店主・鈴木耕一郎氏はいう。血合い肉の臭みはまったく感じられない。生臭さが苦手な向きでも箸が止まらなくなる旨さだ。

 鉄分やビタミンB群をあますことなく摂取できる一品。ニンニクやタマネギと一緒に食べればビタミンB1の吸収が高まり疲労回復に効果大。

 提供しているかつおは、土佐伝統のかつおの目利きである7代目亀次郎が厳選し、急速冷凍した極上品。鈴木氏は素材工学の研究者でもあり、冷凍保存されたかつおの細胞組織を壊さずに解凍する機械を開発し、一年中新鮮なかつおを提供している。

●あべ・やろう/1963年、高知県生まれ。CM製作会社勤務を経て、2004年に『山本耳かき店』で漫画家デビュー。『ビッグコミックオリジナル』で連載中の『深夜食堂』は2009年にドラマ化、2010年には第55回小学館漫画賞一般向け部門、第39回日本漫画家協会賞大賞を受賞。その他の著書に『生まれたときから下手くそ』『酒の友めしの友』など。

●さこ・ふみお/1960年、高知県生まれ。86年に『YOKOHAMA BAY CITY BLUES』で漫画家デビュー。現在は文筆家・漫画家・編集者として幅広く活動。主な著書は『四万十食堂』(安倍夜郎氏との共著)、『コケを見に行こう!』『クセがつよい妖怪事典』などの他、企画・編集作品に漫画家・水木しげる氏の最後のインタビューをまとめた『ゲゲゲのゲーテ』がある。

※週刊ポスト2020年4月10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン