「新型肺炎に対応する医療従事者や病床、人工呼吸器などの医療設備が圧倒的に不足しています。そのため医師らは治療の優先順位を迫られ、回復の見込みが薄い年配者よりも若者の医療を優先しています。つまり、誰を救って、誰を見捨てるのかという選択です。苦渋の決断です」(前出・スペイン在住ジャーナリスト)

 さらに悲惨なのは、65才以上が人口の23%を占めるイタリアだ。感染者は10万人、死者は1万人に達する。

「被害拡大が進む北部ロンバルディア州の地元紙は訃報欄が10ページに達するほどです。増え続ける患者に病院ではベッドが足らず、人工呼吸器をつけたままの感染者が廊下や待合室などに横たわっています。さらに患者が次々と運び込まれても人工呼吸器が足りないため処置ができず、毎日何十人もが肺炎の苦しみのなかで息絶えています」(イタリア在住記者)

 イタリア国立衛生研究所によると、ウイルス感染で亡くなる患者の約9割が70才以上だ。そうした状況でスペインと同じく、「患者の選別」が進んでいる。

 ロンバルディア州ベルガモの看護師は、欧州メディアの取材にこう答えた。

《人工呼吸器を誰に装着するか決めねばならない。80~95才で(肺など)呼吸器に問題がある患者なら、措置はしない。3つ以上の中枢器官に疾患があれば、致死率100%ということだ》

 前出のイタリア在住記者が指摘する。

「被害が集中するベルガモの病院の中には、70才以上の患者の集中治療室受け入れをほぼすべて断っている病院もあります。現地の医療従事者の間では、“高齢者は死んでもらうしかない”が暗黙の了解なのです」

※女性セブン2020年4月16日号

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