芸能

昭和・平成・令和で愛された 志村けんが生んだ名キャラクター

さまざまな場面で笑いをくれた志村さん

「志村けん、がんばれ!」──彼の回復を願うその声はついに届かなかった。猛威をふるう新型コロナウイルス感染の一報からわずか6日、3月29日に70年の生涯を閉じた志村けんさん。昭和、平成、令和といつの時代も数々の愉快なキャラクターでお笑い界の第一線を走り続け、私たちに笑い、いや爆笑をくれた。

「子供たちにバカだと思われてるのはいい。そう“見える”ってことだから。演じてる者にとってはいちばんうれしい褒め言葉だ」というひと言にその人生が凝縮される。願わくば私たちはもう一度言いたかった。病状が回復し「だいじょうぶだぁ」ととぼけた笑顔を見せる志村さんに、「バカだなぁ」と。

 高校を卒業する直前、お笑い界の門を叩いた。憧れだったザ・ドリフターズに付き人として加入し、6年半に及ぶ下積み時代にお笑いのイロハを目の当たりにした。荒井注さん(享年71)の脱退後、正規メンバーに“昇格”し、最高視聴率50.5%を記録した昭和の伝説番組『8時だョ!全員集合』でお茶の間の人気者に。掛け合いが見事なコントはもちろん、『東村山音頭』を生み、「最初はグー」や「カラスなぜ鳴くのカラスの勝手でしょ」など独自の才能を開花させていく。

「付き人にしてください!」といかりや長介さん(享年72)の家を訪れ、雪が降りしきる中12時間帰りを待ち続けた出会いから36年。志村さんの半生をともに過ごした“師匠”は2004年に逝去。涙を流し見送り、2019年にはテレビ番組で「ぼくの師匠として間違いなかった」と語るなどその絆はたしかなものだった。

◆志村魂

ライフワークだったという(撮影/本誌編集部)

 数多くの冠番組を持ちながら、「お客さんの生の笑い声が最高」と舞台をこよなく愛し続け、2006年に旗揚げした舞台演劇「志村魂」はライフワークとなり、全国各地に笑いを届けた。

◆ひとみばあさん

ハチャメチャだけど愛すべきばあさんキャラ

 耳が遠く、終始「あんだってぇ!?」と聞き返す仕種で笑いを起こしたひとみばあさん。客の注文も聞かず、話は噛み合わず、ハチャメチャだけど嫌われない、愛すべき“困ったばあさん”。

◆バカ殿様

“バカ殿”はもともと『全員集合』のコントの1つでもあった。ザ・ドリフターズの作品を受け継ぎ、桑野信義、ダチョウ倶楽部ら愛する“家臣”とともに代表作へと育て上げた。2020年1月に放送された最新作が“遺作”に。

◆変なおじさん

「そうです、私が変なおじさんです!」──たったこれだけのセリフで爆笑を生むのは、ステテコ姿に青ヒゲ、変態キャラという強烈な個性があってこそ。「だっふんだ」の名フレーズとともに、志村さんを代表するキャラクターのひとつとして愛された。

※女性セブン2020年4月16日号

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン