休業店舗が多く閑散とする新宿ゴールデン街(時事通信フォト)

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◆5800万世帯の8割は給付金を受け取れない!

 国民の不満の最たるものは、給付世帯の線引きのハードルが高すぎることだろう。そもそも政府・与党間の会談で20万円が一気に30万円に引き上げられた経緯や算定根拠が不明である。

 最初に20万円という数字を報道機関にリークしておいて、首相と自民党政調会長の会談で30万円に引き上げたという結果にすることで、「首相の政治決断」を強調したかったのだろうか。〈思い切った支援が必要との首相判断で急きょ上積みが決まった〉(4月4日付東京新聞)との報道もあった。

 給付の線引きに当たっては、給付を受けられるハードルが高すぎる。困窮者、低所得者の支援にはなっているが、サラリーマン世帯の消費を喚起する経済対策には程遠い。

 サラリーマンの場合、勤務先の業績悪化で減収となるのは残業代や諸手当が多いだろうが、月収が半分以下まで減ったケースは少ないだろう。むしろ夏、冬のボーナス大幅カットで年収のがた減りを心配している世帯が多いのではないか。こうした世帯までカバーしないことには話にならない。

 また、減収の対象者を世帯主に限定している点も欠陥制度だ。世帯主=稼ぎ頭という旧来の発想にとらわれ過ぎている。世帯主よりも同居人のほうが収入が多いケースもあるだろうし、共働き世帯で奥さんが収入ゼロになっても、夫の収入が半減しなければ対象にならない。その結果、5800万世帯のうち対象となるのは1000万世帯超とみられ、8割以上の世帯は給付金とは無縁の存在となってしまう。

 4月7日に発表された緊急経済対策で線引き内容や水準の具体額などは明らかにされたが、国民のモヤモヤ感は解消されていない。

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