フランスでは禁止、日本ではOKの食品とは(取材をもとに本誌『女性セブン』が作成)
「鮮魚店では、世界地図にどの海で捕ったのか、産地がわかるように番号が振られています。レストランで食事をするときも、お肉はヨーロッパ産や米国産などの産地が記載されています」
表示義務の厳しさの違いは、「遺伝子組換え食品」に代表される。日本では、「食品の原材料として重量が多いものから3番目まで」で、「使った分量が総重量の5%以上」の場合に、「遺伝子組換え」の表示義務があるが、EUでは遺伝子組換えの原材料が0.9%以上入っていれば、表示義務が生じる。さらに、遺伝子組換え作物をエサに使った家畜の肉にも表示義務があるが、日本にはない。
「輸入の大豆やとうもろこしなどは、ほとんどが遺伝子組換えです。『日本人は世界で最も遺伝子組換え食品を食べている』といわれています」(鈴木さん)
厚生労働省は「遺伝子組換え食品を食べ続けても問題はない」としているが、フランスのカーン大学で行われた実験では、遺伝子組換えのとうもろこしを食べ続けたマウスが、4か月目から突然、全身にがんを発症することがわかっている。
◆フランスでは表示もレシピ本も徹底する
フランスの食品に表示がつくのは、危険なケースだけではない。厳しい規則に沿った方法で飼育、生産された高品質な食品には、政府に認可された「赤ラベル」と呼ばれる目印がついていて、いいものと悪いものが白黒はっきり見分けられる。米ボストン在住の内科医・大西睦子さんが言う。
「フランスでは、消費者に誤解を与える文言を商品に記載するのはNGとされています。たとえば『ピーナッツバター』は、フランスの規制で定義されている“バター”が含まれていないため、『ピーナッツペースト』と表記する必要があります」
その徹底ぶりは、料理のレシピ本にも表れる。
日本に輸入されるレモンやオレンジなどの果物に使われる「防カビ剤」である「ポストハーベスト農薬」は、強い毒性があり、発がん性や吐き気を引き起こすことが問題視されている。