河合さんが所長だった港区政策創造研究所の調査を踏まえ、東京・港区では、介護保険や区のサービスの利用がないひとり暮らし高齢者の自宅を、社会福祉士などの資格を持つ「ふれあい相談員」が訪れ、必要な支援につなげる活動を続けている。河合さんは、このような試みを全国的に行う必要があると訴えている。
また、高齢者の貧困問題も孤独死につながっていると、河合さんは言う。しかし貧困については、高齢者だけの問題に限らないと続ける。
「若い世代の非正規雇用が増え、経済的に苦しんでいる人が増えています。収入が少ないと交際費を削らざるを得ないので、人間関係を維持しにくくなります」(河合さん)
生活保障制度の不備や所得格差は、個人の努力だけではどうにもならない。こういった社会の状況を踏まえ、若い世代も含め、みんなで何をするべきか、考えなければならない。
※女性セブン2020年4月23日号