国内

体が元気な高齢者の「孤独死」増加中 貧困問題の影響も大

活発に出歩かなくなり、あまり人とも会わなくなると…

 総務省統計局「国勢調査」によれば、2015年の単独世帯は全体の約35%。2040年には40%に達すると予想されている。2~3人に1人がひとり暮らしなら当然、誰にも看取られずにひとりで死ぬ“孤独死”も増えるということだ。

◆他人事だと考えている人ほど危険

 実は、「孤独死」に、政府などが定めた定義はない。あえて言うならば、

【1】自宅で死んだこと、【2】誰にも発見されずに死んだこと、【3】自殺ではなく自然死であること、【4】本人を含め、その死を誰も予期していなかったこと、などが挙げられると、淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博さんは言う。

 この中で最も怖いのが【2】だろう。そうなりやすい人の特徴をまとめたのが別掲のリストだ。1個でも当てはまる人は、注意が必要だ。

「要は、家族、友人、親族、地域、職場との縁が少ない人はひとりでの死後、発見されにくいということになります。ただし、それを自覚して危機感を持った人は、備えようとするので最悪の展開にはなりにくい。

 逆に、リストの該当数が少なくても、“自分は関係ない”と思い込んでいる人の方が危険です」(結城さん)

 遺体がしばらく見つけられなければ、腐敗が進んでしまう。

「公衆衛生の観点からも、遺体が放置されることは防がないといけません。他人事だと思っている人こそ、遺体が放置された部屋の状況を、目を背けずに見てほしい。そして、“自分がもしそうなったら”と、想像してほしい。これもまた抑止につながると思います」(結城さん)

◆経済的な苦境が孤立化を深める

 高齢者の孤立問題を研究している明治学院大学名誉教授の河合克義さんは、25年以上前から主要新聞に掲載された孤独死関連の記事をリスト化してきた。それらのデータからわかるのは、2000年以降、孤独死が急増したことだ。

「2000年は、介護保険制度が始まった年。この制度は体が元気な高齢者は対象になりません。制度を実際に利用しているのは65才以上の15%程度。残りの85%の“元気な”高齢者の中で孤独死が増えているのです」(河合さん)

いくつ当てはまるだろう

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト