国内

新型コロナ「検査拒否」の実態、電話中に咳をしたら切られた…他

新潟市では3月1日から、すでに「ドライブスルー方式」のPCR検査が始まっている(写真/新潟市提供)

「38℃の熱が3日間続き、喉も腫れ、水どころか唾さえ飲めない状態。でも、保健所に検査をお願いしたら“近くの病院に電話してください”と断られました」(東京都40代男性会社員)

「3日前に食事をした友人が感染したので、不安になって保健所に連絡したら“咳などの症状がないと検査できない”と言われ、あきらめました」(東京都20代女性会社員)

 いずれも新型コロナウイルスの検査を受けられなかった人たちの悲痛な叫びである。

 4月13日には、感染疑いのあるゼネコン社員がなかなか検査を受けられず自宅待機していたところ、容体が急変して死亡。その後、陽性が判明したとのショッキングな事実が公表された。

 感染の有無を調べるのは、喉の粘液などを採取してウイルス特有の遺伝子配置を検出する「PCR検査」だ。WHOのテドロス事務局長が「疑わしいケースは検査、検査、検査だ」と強調した通り、世界各国では新型コロナ対策として検査数を増やしている。

 現在までドイツは150万件、アメリカは100万件、韓国は43万件を超える検査を行った。世界で唯一、この潮流に逆行するのが日本だ。厚労省によると、2月18日から4月7日までの検査数はわずか9万件余りしかない。

 人口1000人当たりの検査数でも各国とは歴然の差だ。ドイツ16人、イタリア13.7人、韓国9人に対して、日本はわずか0.37人である(4月6日現在)。

 最大の問題は、冒頭のように、体調不良や不安に苦しむ国民が検査を希望しても簡単に受けられないことだ。

 厚労省によると東京の帰国者・接触者相談センターに2月1日から3月31日の間に寄せられた相談件数は4万1105件で、そのうち実際に検査したのは964件にとどまる。つまり、希望者の「相談」から「検査」に至ったのは、実に2.3%しかいないということだ。100人のうち97人以上は門前払いだったのだ。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン