国内

コロナ危機に乗じて詐欺集団が暗躍 アポ電強盗多発の懸念も

コロナ騒動拡大とともに迷惑メールも増えている

コロナ騒動拡大とともに迷惑メールも増えている

 戦争や紛争に巻き込まれる地域で生き延びるなら、落ちてくる爆弾や流れ弾で死ぬ可能性だけでなく、治安が悪化することで増える強行犯罪や交通事故などを警戒すべきだと言われている。新型コロナウイルス感染拡大による社会不安が広がる中、病気だけでなく、治安の悪化についても警戒すべき状況が生まれつつある。特殊詐欺事情に詳しいライターの森鷹久氏が、活発になりつつある詐欺グループの動向についてレポートする。

 * * *
 唐突ではあるが、この1~2ヶ月の間に「迷惑メール」が増えてはいないだろうか?

 新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安に乗じ、ありもしない「マスクを売ります」メールが送りつけられたり、さらに得体の知れない「コロナウイルスの除菌剤販売」を案内するような許されない行為が、新聞やニュースなどでも報じられている。

「トレンドは”給付金”や”融資”でしょう。メールで数十万件ばら撒けば、数ヶ月前には一本もヒットしなかったのが、十数件ヒットするらしい」

 こう話すのは、元暴力団関係者で、なりすまし詐欺やオレオレ詐欺にも関与した経験のある男性・K氏(40代)。社会が不安に陥ったほうがよい、それをビジネスチャンスと捉える不届き者が存在すること、そしてそうした連中の最新の動向を次のように解説する。

「まず、外出自粛によって自宅にいる人が増えました。そうすると、何が起こるか。みんなスマホばかり見るでしょうから、そうしたタイミングに合わせてとにかく詐欺メールを送りまくる。コロナウイルスでパニックに陥った人々には、除菌剤とか在庫マスクをこっそり販売するなどのメールが有効でしょう。仕事がなくなった人たちには融資金や助成金を配る、みたいなワンクリック、ツークリック詐欺の案内を送る。世の中が冷静でないからこそ、不安な人々を陥れるのは平時よりいくらか簡単になっているんです」(K氏)

 こうした詐欺による被害はすでに複数、発生しており、当局も注意を促していると言うが、パターンが多岐にわたり、一見すると詐欺に思えないような文言、方法で市民にアプローチして来るために、完全に防ぐ手段がない。そして、増えているのは被害者だけではない。

「元詐欺師たちが続々、現場に復帰していると聞きます。詐欺をやっていたけど締め付けで儲からなくなったからやめた、という連中が、一攫千金のチャンスだといって、かつての詐欺仲間からオファーを受けています。さらに言えば、今回の件で仕事が休みになったり、仕事からあぶれた連中が、新規に詐欺に手を染め始めている。休業補償などがなかなか決定されない中で、なんとか食いつなぐために、日銭のためにとやってくるんです」(K氏)

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン