芸能

ユーモアが見事 口が商売の落語家が口を封じるマスクづくり

口は商売道具(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、寄席も独演会もなくなり仕事がなくなった落語家たちが、口を封じるマスクづくりにいそしむ様子についてお送りする。

 * * *
 安倍首相のマスク2枚。なんとも間抜けな大きさである。首相がつけてるのを見た時、給食当番かと思った人も多い。

 その点、私の周りの民間人はすぐ動く。山田雅人は「かたり」という芸を磨き、私の企画で爆笑問題の「太田光物語」なるライヴを太田と私をゲストにやろうとしたら、やっぱり中止。ガックリ。電話がかかってきて「ウチの奥さんが裁縫を少々やりますので、マスクを作ってすぐに送ります」マスク騒動の1か月以上も前のことだ。この気持ちが嬉しい。

 それをききつけたのか、続々名乗りをあげてくる頼もしい落語家連中。噺家は口が商売とはいえこの国難、口を封じるマスク手作り大作戦。

 寄席もなくなり、まったく仕事が無くなった前座達に雇用の場をと、立ちあがったのは我らが林家彦いち。「頼れる落語界の兄貴」であり「無駄に強い男」である。最近見かけないなと思えば、作家の夢枕獏と世界の秘境へ行っている。

 マスクの型は彦いちの顔からとったので、SはなくてMとL。一番弟子がアッという間に作り、二番弟子が梱包、三番弟子がラベルを作る分業制を確立。一応3枚千円らしく商品名は「前座マスク 師匠の飛沫を止めた」。

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《急逝・中山美穂さんが遺した家族》「次にいつ会えるのかは父親の判断」離婚した辻仁成との間に今年20歳になった長男…直近の元夫はSNS投稿で取り乱し
NEWSポストセブン
舞台
【風間俊介インタビュー】主演舞台『モンスター』稽古に潜入「演劇には人生を変える力はあるし、社会を変える力もある」 役者として目指すのは「コンビニみたいな人」
女性セブン
リハビリに励まれる美智子さま(写真/宮内庁提供)
美智子さま 大腿骨の骨折からわずか1か月半で、自らの足で歩行する驚異の快復 新年一般参賀では愛子さまが“介助役”を担われる可能性
女性セブン
怒りが収まらない大谷翔平(写真/AFP=時事)
大谷翔平、“水原一平被告が盗んだ金で買った野球カード”の返還を急いだ理由 厳しい対応の背景にあるのは、米国内で燻る大谷の“管理責任論”
女性セブン
木村一八が結婚に至った背景とは
【中山美穂さん急逝】『毎度お騒がせします』で恋人役の木村一八「励まし合いながら乗り越え笑い合った」追悼コメント
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
「救急車と消防車が駆けつけて…」俳優・中山美穂(54)さん急逝…自宅前に停まっていた「ナゾの一般車両」
NEWSポストセブン
進一さんとのひともんちゃくについて語る坂口
「今の彼女は言語化ができない状況」坂口杏里さんの元夫が語った“PayPay援助要求”の背景「お金がないはずはないのに…」「福祉の支援が必要」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《追悼》中山美穂さんが生前に月1回通った“第2の実家” 焼肉店オーナーが明かす「お気に入りの指定席」「飾らない素顔」
NEWSポストセブン
殺人容疑で再逮捕された勝田州彦容疑者
《連続女児刺殺事件》再逮捕の勝田州彦容疑者が告白 犯行を急いだ理由は“母の小言”「勝田家では夕食に少しでも遅れるとかなり小言を言われます」
週刊ポスト
公務と受験勉強を両立されていらっしゃる悠仁さま(2024年8月、岐阜県関ヶ原町。撮影/JMPA)
《合否発表は来週》悠仁さまに「筑波大推薦入試を受験」報道「筑附の学生はちょっと有利かもしれません」背景に“高校教員のサポート体制”
NEWSポストセブン
学生時代の折田楓氏(左)。中央はフジテレビの小澤陽子アナ(フェイスブックより)
《“バーキン持ってキラキラ笑顔”をSNSに投稿》刑事告発されたPR会社・折田楓社長(33)、フジ人気アナとの華やかな交流
週刊ポスト
(時事通信フォト)
「妻を守るためなんじゃ…」韓国・尹大統領がいきなり戒厳令、背景に疑惑まみれの“美しすぎるファーストレディ”金建希夫人 かつてファンクラブ会員は9万人に
NEWSポストセブン