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コロナで馬券場閉鎖 ネット投票「専用口座」作りに挑戦した

競馬好き作家がネット投票に挑戦したら?

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない「夢の馬券生活」。調教助手を主人公にした作品もある気鋭の作家、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する須藤靖貴氏が、新型コロナウイルスの影響で馬券場の閉鎖が続いているため、ネット投票に初めて挑戦した体験についてお届けする。

 * * *
 スマホを持たないIT弱者である。パソコンは原稿を書くのとネットで調べ物をするくらい。買い物したこともチケットを取ったこともない。

 ここまでそれほど不都合はなかったが、さすがに馬券を買えないことは堪えた。GIシーズンなのに、いつまで経ってもエア馬券ではラチがあかない。「的中!」とエア歓喜するたびに自分がアホウに思えてくる。外れても損しないけど。

 ようやく重い腰をあげた。グリーンチャンネルでナイツが宣伝している「即PAT」加入である。

 無観客レースとなった2月末、多数の新加入があった。私はその流れには乗らなかった。ネットで気安く馬券を買えるようになったとき、自分に歯止めが利かなくなるのが怖かったのだ。振り込まれる原稿料を片っ端から競馬に注ぎ込んでしまいそう。しかしアホウもいやだ。今や競馬くらいしか愉しみがないのである。

 そこで競馬だけの口座を作ることにした。ネット投票には指定の銀行口座が必要で、私の使う銀行に当たらないのも都合がよかった。新口座はいわば競馬専用の財布と同じ。そこに入金しなければ不安を抑えられる。月々の入金額をしっかりと定めればいい。

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