沢田と車で買い物に出かけた妻の田中裕子(5月中旬)
「今作のプロデューサーの奥さんが沢田さんの信頼する元マネジャーの娘さんなんです。沢田さんは6年前の結婚式で乾杯の挨拶を務め、山田監督も新郎側の主賓として列席していた。プロデューサーにとってみたら、義理の父が支えてきたスターが、お蔵入りの危機にあった映画を救ってくれたのです」(映画関係者)
代役の候補は何人かあがっていて、その中に沢田の名前もあったようだ。
「沢田さんは今年、伝記映画への出演オファーもあったのですが、自分が志村さんの代役の候補にあがっている話を耳にして、その映画の話を一旦断ったようです。50年来の畏友である志村さんへの追悼の思いの方が勝ったのでしょう。追悼コメントなどを出さずに形で思いを伝えるのは沢田さんらしい。
すぐに関係者に連絡を取り、山田監督との会合の場を持ちました。そして、その場で代役を快諾。正式オファーから、わずか30分ほどだったそうです。沢田さん側は、体形や白髪はそのままの姿でやりたいとだけ、条件を出したそうです」(沢田をよく知る人物)
志村さんとの縁、山田監督との縁、元マネジャーとの縁にその娘夫婦との縁。シャイといわれてきた沢田は、実は太く確かな縁だけを離さない人なのかもしれない。
そんな沢田と志村さんを見守ってきた“キネマの神様”はいま、優しく微笑んでいるに違いない。
※女性セブン2020年6月4日号